小説「黒子のバスケ ─Replace III─ ひと夏のキセキ」感想

黒子のバスケReplace III ひと夏のキセキ (JUMP j BOOKS)
黒子のバスケ』の小説第3弾!
黒子たちの中学時代のエピソード「帝光中学編」は、もちろん収録。
今回は“キセキの世代"のみんなが浴衣で夏祭り!?
さらに、火神と氷室の「アメリカ幼少時代編」、紫原の普段の学校生活を描いた「陽泉高校編」、そして誠凛バスケ部結成時の秘話と、まさかの土田にスポットを当てた全5編を収録!!

著者

藤巻 忠俊 (原作), 平林 佐和子 (著)

黒子のバスケ小説の3巻感想。
一応小説の1・2巻も読んでるよ。
最初のキセキ話が微妙な印象だったので、それ以降進めるの渋ってたんだけど、いざ読んでみたらキセキ話以外は普通に良かった。力入れるとこ間違ってる…!

表紙カバー:帝光中時代の7人

帝光中夏服初お披露目。夏の体育館で並んで昼寝。
かわいいなー。お前らほんと仲いいな…。
黒子あたりはともかく、他面子は高校のチームで同じことしてくれなさそうなのになんだこの仲良しさ!
19巻表紙との黄瀬の扱いの格差ひどいww小説表紙3巻とも可哀想なことになってるね彼は。
なんかこういう集合絵見てるとキセキのヒエラルキーは赤>>黒≧紫>青>緑>黄なのかな。
ちょっかいをかけらる順というかやられキャラ順というか。ああ登場順のパワーバランスは四天王展開だったのか。それか誕生日順に下っ端?
副主将のぞんざいな扱い…。まぁこういう力関係なら黒子さんも俺ら下っ端で…的黄瀬くんに一緒にしないでくださいって言うよね。そりゃそうだ。
ところでこのキャラ配置が素晴らしくて、なんていうか藤巻先生はとてもよくわかってるなと大変満足した。

描き下ろしカラーポスター

表面:子ども時代のアレックスと氷室火神

小学生の氷室と火神を見守るショートヘアのアレックス(おっぱいすごい)
かわいいんだけどなんか…ひむろんの顔が人形みたいで怖い。
背景が西海岸!ってかんじ(偏見)

裏面:陽泉の登下校風景

陽泉スタメン5人の登下校ショット。
雪降ってる秋田は寒そうだ。皆コート着てマフラーとか帽子とか付けてる。
むっくんマフラーとイヤマフしてめっちゃガタガタ震えてるww白目で鼻水出てるしwかわゆい。
体大きいのに寒がりなのか、それとも性格的に我慢がきかないのか。
ラブレターをもらう福井にショック受けるアゴリラwボンボンついた帽子被ってるのがかわいいと思ってしまったw
氷室さんはスマートに微笑を浮かべて美人だなー。
そういえば陽泉制服ズボンはチェック柄なんだね。

第1G「キセキが浴衣にきがえたら」

登場人物:桃井・黒子・青峰・黄瀬・緑間・紫原・赤司
例によって桃井視点の帝光中時代の7人がそれぞれ浴衣で夏祭りに行って騒動に巻き込まれるドタバタ話。


読む前に皆何か理由があって浴衣着てお祭りに来るのかと思ったら、お祭りに来るのも浴衣着てるのも会うのも全部偶然という雑な展開で始まりびっくり。
えええ…中学生男子が浴衣着てお祭りに行くって結構な気合だと思うんだけど…普通に皆浴衣で一人で遊びに来たでいいの…。
いやまぁ小説の目玉として人気キャラが浴衣でお祭りで集合って企画立てたのはわかるけど!それが丸見えなのはある意味潔いけど!もう少し不自然じゃない前振りをしようよ…あきらめないで!
…例えば黄瀬がカタログモデルの仕事したから大きいサイズでも安く浴衣借りられるみたいな話になって、じゃあ皆でお祭り行こうよ、現地集合で会おう、みたいな展開じゃダメだったのかな。


桃井と青峰は毎年2人でお祭りに行ってて、2人の浴衣は桃井の祖母の手製。(家族公認…!)
黒子は友達と一緒に来たけど、友達が急用で帰った。
紫原は…食べ物の屋台目当てかな??甚平着てる。
赤司は知り合いに将棋大会に出てくれと言われて来た。浴衣は白地に昇り竜。ヤーさんかお前は。
緑間は…ラッキーアイテム入手のため???
黄瀬は仕事帰りで浴衣は撮影で使ったもの。知り合いが神輿を担ぐから見に来た。
うーん緑間さん苦しい。もしかして皆お祭り行くって話してて自分も行きたいけど言い出せなかったから、一人浴衣着て来ちゃった☆とかだったらどうしよう。


1シーンに人が沢山出ると展開動かし辛いし、キセキはそれぞれ見せ場を用意しつつ最後に黒子がおいしいとこ持って行かなきゃいけないのはわかるけど…別れたり合流したりで慌ただしいし、その都度離れる言い訳が苦しい…。
青峰最初からずっと寝てんならじゃあ何で来たんだよだし、黄瀬がなんで青峰探しに行くのかよくわかんないし、桃井一人にしなきゃいけないのはわかるんだけど、この日何回かナンパに遭ってる(賢い子の筈の)桃井が行動が軽率なのとか、黄瀬もそこで一人で行かせないだろうとか…
連絡するって話が出てるのに黄瀬以外携帯持ってないっぽいのもなんだかな。携帯が出てくると簡単に合流できちゃうからなんだろうけど。
じゃあそこは連絡するじゃなくて後で合流しようとか伝言しておくとかにすればいいのに…


あとやっぱり桃井こんな八方美人の逆ハーレムヒロインみたいな性格じゃない気がするんだけど…まぁそれは小説3巻とも同じで今更か。
キセキのマネで敵を見下す系のそこまでいい子じゃない計算高い原作モモーイはどこへ
最後は中学生だけで遅い時間に集団で花火とか補導されそうだけど大丈夫なのかな。いやまぁそんなキセキは嫌だけど…


そんな感じで、なんだか大筋は楽しめてるんだけど、そういう細かい雑な展開への萎えが積み重なって微妙な印象だった。
でもまぁ皆で夏祭りしてその後花火したって思い出はいいよね。
黒桃を待って道路脇の植え込みに座ってる青峰・黄瀬・緑間・紫原・赤司ってシーンは想像したらすごくかわいい。

挿絵

挿絵は2枚。
1:クマのぬいぐるみを笑顔で抱える桃井。後ろに黒子・紫原・緑間。みんな浴衣姿。
2:最後の全員集合で花火の風景。
2枚目かわいい…!
黒桃が穏やかに座って線香花火してて、その横で花火数本に火を点けて火花がすごいことになってる紫原にびびってる青黄、それらを穏やかな笑顔で見守る赤司、をガン見な緑間←
えっ緑間さんなんで花火しないで赤さんガン見なの…!?
緑間さんの中学時代一番楽しかった思い出が夏祭りの割にはこの話でいい目見てないなと思ったけどそういうことなの!?お祭りのことは覚えてるってそういう?
……いやぁ藤巻先生は本当によくわかってらっしゃる。素晴らしいね!

第2G「誠凛高校バスケ部、始動!!」

登場人物:日向・リコ・木吉・伊月・小金井・水戸部・土田
誠凛バスケ部創設の屋上での誓いから数日後、お世話になるカントクに部員でプレゼントを買おうという日常話。
会って間もない誠凛先輩たちの初々しいやりとりがかわいい。
っていうかツッチーって屋上の誓いのあたりでまだ部員じゃなかったんだっけ。あれ?
なんか最初のキセキ話の粗に萎えてたんだけど、これは普通にいい話だった。あれ?
挿絵はプレゼントをもらったカントク。

第3G「The Adventures of TAIGA & TATSUYA」

登場人物:氷室・火神・アレックス
火神・氷室の小学生の頃のアメリカ。
遠くの廃校にバスケットボールがあるという噂を聞いた火神が氷室と一緒に廃校目指し、泊りがけで2人で出掛ける話。
自転車使ったりポリスの目を誤魔化したり東屋に泊まったり犬に遭遇したりポリスの目を誤魔化したりしながら兄弟二人力を合わせて目的地を目指す、初めてのお使…スタンドバイミー。


小さい2人の冒険もかわいいし、全力でひむろん信頼するかがみんと、もうこの頃からブラコンこじらせ気味で賢いお兄ちゃんでも頑張るまだ子どもなひむろんが複雑な思いを抱いてるのがいいなー。
下の子に頼られたら、自分は上の子だからなんとかしないと、しっかりしないと!とか、わたしも小さい頃から仲良しな妹がいるから気持ちがよくわかる。
そんな2人を見守る理解ある大人なアレックスも素敵。すごいイイ話だったww
挿絵はホットドックを食べる氷室と火神。

第4G「謎の彼女T」

登場人物:カントク以外の誠凛バスケ部
部活が早く終わった日。ツッチーは今日デートらしい。誰も見たことのないつっちーの彼女が気になり尾行する日向・小金井・伊月・水戸部、先輩命令で連行される火神・黒子。
WC前の秋のライトな誠凛話。普通に楽しく読めた。
誰も見たことのないツッチー彼女はMAEDAX嫁ネタみたいだw
伊月さんは本当にモテるんだなー。
挿絵は水戸部妹に遭遇するツッチー、それを見守る誠凛2年

第5G「はたらく陽泉高校(バスケットマン)」

登場人物:陽泉高校バスケ
11月の秋田、奉仕活動で公園に雪像を作ることになる陽泉バスケ部。
紫原が身長が低いことに悩む園児に会ったり、ひむろんがようじょから異様にモテたり、まさ子ちんマジ元ヤンだったり、基本和気藹々なほのぼの話。


陽泉は部内の空気が和やかで楽しそうだな。アゴリラほんといいキャラしてるw
ここでもやっぱりブラコンこじらせてるひむろんに笑ったw
アドバイスでむっくんが黒子の話をするのがいいシーンなんだけど、
彼にとって赤さんに認められる=すごい、なのか。いきなり名前出してびっくりだよ…!
ダブルエースは大きな子どもとフォローお兄ちゃん気質の2人でいいコンビだな。
陽泉はWC終わったら保育園でお楽しみ会でなまはげやるのww
後に出てきたから成長要素を入れられないこともあるんだろうけど、なんで陽泉こんなにゆるいんだろうw


挿絵はようじょに取り合いされる氷室を見守る他メンバー。
ポスターでも挿絵でも同じ顔してるアゴリラが愛しくなってきたww

おまけ「大ちゃんの覚醒」

登場人物:青峰・堀北マイ(!)
キセキのお祭り話であんま出番がなかった青峰が裏で堀北マイと遭遇してラッキースケベが発生し巨乳推しに覚醒する話。
…そりゃあ青峰中学1番の思い出が祭りになるわ…
でも大体同時期に黄瀬・灰崎あたりが彼女NTRだのバカ女が群がってくるわーだのやってたと思うと、青峰はすごく健全な中学生に見えてくるね…


挿絵は堀北マイを見かける青峰。
マイちゃんは描かれるたびに顔が別人レベルで違わないか…!?
青峰が浴衣の袖をめくってノースリーブみたいにして着てるのがなんか好き。

まとめ

最初の話以外の出来は良かったので損してる気がする。危うく暇じゃなかったらキセキ話で読むのやめてたよ。
わたしの周りでこの小説シリーズ持ってる人は大半最初のキセキ話しか読んでないし、それ目当て購入者が多いと思うので、他の話のクオリティがキセキ話にあったら良かったのになーと思った。
黒バスの関連商品だとシナリオはゲーム>>小説≧ドラマCD、だな。


まぁ毎回仲良しでキャッキャしてるバスケしないバスケ少年たちが読めるのは楽しいし、カラー描き下ろしや挿絵も素敵なので満足はしてる。
来年小説4巻が出るなら、次こそ洛山話とかキセキ話にちゃんと赤司くんが参加しそうで楽しみだな。



黒バス19巻感想>http://d.hatena.ne.jp/haleyaka/20120905/p2