「BLOOD-C The Last Dark」感想

あらすじ

『映画パンフレット』 劇場版BLOOD-C  The Last Dark 監督 塩谷直義 声の出演 水樹奈々、野島健児
201X年、冬。浮島地区では七原文人の実験のために信じていた者たちに裏切られた小夜は、その復讐を果たすべく東京にいた。
だがそこは世界企業セブンスヘブンを後ろ盾にした文人の実質的支配下となっていた。
そして青少年たちを完全管理下におく青少年保護条例が施行され、なにかの実験が行われていたのだ。
そんな東京で小夜は社会を裏から支配する“塔”の秘密を暴くために活動するネットコミュニティ・サーラットのメンバーに出会う。
ITベンチャー・シスネット代表の殯蔵人を中心に、指揮担当の矢薙春乃、松尾伊織と藤村駿の現場担当コンビ、中学生ハッカーの月山比呂、そして地下鉄で“古きもの”に襲われたところを小夜に救われた、大切なものを失った少女・柊真奈。小夜は真奈と出会い、そしてサーラットに導かれた。
利害の一致した小夜は、ともに七原文人の組織“塔”に戦いを挑むことになる。

キャスト

小夜:水樹奈々 / 七原文人野島健児 / 柊真奈:橋本愛 / 殯蔵人:神谷浩史 / 松尾伊織:中村悠一 / 藤村駿:梶裕貴 / 月山比呂:花澤香菜 / 矢薙春乃:甲斐田裕子 / 犬:福山潤 / 網埜優花:浅野真澄 / 九頭:諏訪部順一

わたしオタクの癖に今回初めて一人で映画を見に行ったよ…。
評判いいなら誰か誘おうかなって思ったけど、そうでもなさそうだったから誰も誘えなかった。見た後それで正解だったかなって思った。
もしかしたらこのブログはわたしがかみや厨としてステップアップする過程で開いた色んな扉の物語なのかもしれない…


テレビシリーズ見てから映画行こうかなとも思ったけど、グロイのもホラーも血が出るのもそんなに得意じゃないので断念した。
声優ホイホイされて映画だけ見た人の感想。なのにあんまりいいことは書いてない。


力を入れてる劇場版なんだって思わせる作画は素晴らしかったし、奈々様の主題歌も良かったんだけど…
なんかこう、どこかに入れ込みやこだわりを感じない映画だったなーと思った。
各要素が中途半端というか。小夜がかっこよくチャンバラ無双するでもなく、敵組織とのサイバーバトルや高度な情報戦()があるわけでもなく、なんとなくそれっぽいシーンのつなぎ合わせで話が進んでいってgdgdしたままENDみたいな。
いや最後はクランプっぽさもあるなと思ったけど、もう少し中盤の人間ドラマやらバトルやら、盛り上げられなかったのかなって…


敵を惨殺したり、地下鉄で追い詰められたり、シチュエーション的には燃えるのに、特にハラハラしたりゾッとする演出があるわけでもなく…洋画的な情緒の無さと言うか…。敢えてそういう描写を外してんのかな?血はいっぱい出るけど臓器は出ないよ!みたいな?
ハッキングもなんかお前ら何やってんの?ネサフ?みたいな感じで、90年代に置いてきたいハッキングシーンみたいな感じだったし。パソコンカタカタやってりゃいいってもんじゃないだろ…みたいな。せめてマルチディスプレイにしてあげればいいのに…
作画良かったけど、カーチェイスシーンや最後とかCGすぎて、キャラ絵と馴染まないしもっとアニメっぽい方がいいなーと。
税金投入してるから色々やってみよう!みたいなことなのかなぁ…
最後はほんと特撮的な、巨大化した悪者で笑ってしまった。弱いし。


いきなり四月一日が現れたのはあれー?みたいな感じだったけど、まぁクランプだしなぁみたいなよくわからない納得。
対価後回しでいいのかよ!お前それお店のアイデンティティじゃないの!?とは思った。
彼はこれからも後続クランプ作品で便利屋さんポジなんだろうか。


映画キャラ達やサブヒロインと小夜の交流は結構尺を割いてた割に微妙だった。
とにかく何故あんなセリフ多いキャラを芸能人ゲストにしたのかっていう…
彼女は準主人公的な立ち位置で、(多分テレビシリーズの出来事により心を閉ざしてる)小夜が言葉少なめな分、その態度の変化で小夜の感情や心境の変化を表さなきゃいけない、難しい声の演技が必要な役柄だったと思うんだけど。本職声優を使ってほしかった。
小夜=観客の思い入れとしては、本当は彼女に共感してほだされて守りたいと思わせなきゃダメなんだろうに、なんか学校でのバトルとか、お前緊迫感なくなるからもう黙れ!って思ったよ…
いや柊さんは声かわいかったし、年齢的なことも踏まえると、声優初挑戦にしては悪くなかったし、セリフがあんなに多くないちょい役だったら気にならなかったのに。明らかにキャスティングミスだよなー。宣伝のためだったらはなちゃんがやってたハッカーようじょと役柄チェンジすれば良かったのに。


中村さんはなんかもうドタチンだった。梶君もいたのでワゴン組だった。声オタを釣る以外、あの辺の面子って必要だったのかなって思わなくもなかった。
小夜の「ふみとおおおおお」はちょっと笑ってしまった。いやなんか、芸人の十八番ネタを聞いてちょっと得したような妙な気持ちになった。
最後の「私は…結局」に続くセリフが「何だったんだろう」とか映画見たことが無駄になるようなこと言われたらどうしようかと思ったw


お目当ての殯さんは大人眼鏡低音の良い神谷さんだった。
意外とセリフが多かったし、それまで口数少ない主人公・何考えてるかよくわからない四月一日棒子くらいしかセリフ多い人がいなかったので、過去回想の辺りの色んな感情が見え隠れする長セリフはとっても良かった。色んな相対効果もあって声優ってすごいなって思った。
いきなり小物化したのには笑ったけど、まぁそこからの断末魔とかも良かった。
でもそろそろかませじゃない神谷悪役も見たいなって思わなくもない…けど思った以上に満足はした!


結局最初に流れてたタイバニ映画が予告がこの日一番テンションが上がったところだったけど、もしニコニコ辺りでコメント付きで放映するならもう一回くらいは見たいかもしれない。
あと奈々様の歌詞って、今まで元作品を知らないことが多くて、女神って書いててんしって読ませるのすごいな、くらいにしか思ってなかったんだけど、映画見た後にメトバロの歌詞見たら、あの内容でこの歌詞が書ける奈々様すごいなって思った。


…やっぱテレビシリーズ見とけばよかったかなぁ…と思わなくもなかった。
けど映画見てテレビシリーズ見る気も起きなかったから、今回自分が微妙だと思った部分は「きっとテレビシリーズを見ておけば楽しめたんだろう」と思って納得することにした。シュレディンガーな血C。